朱鎔基(1992~1997副総理:1998~2003総理)により「社会主義市場経済」への急激な変革が実行された後、中国は急速な成長を見せる。WTOに加盟(2001年)したこともあり「世界の工場」へと変貌していった。
そんなグローバル化の中で世界との連動性も大きくなった。そして2008年9月に発生したリーマンショックで世界が大混乱に陥ると、中国政府は4兆元の経済刺激策を実行に移した。これが世界に波及し、世界の経済混乱が収束することになった。
中国は、その後も世界でのプレゼンスを強め、2010年にはついに日本のGDPを抜き、世界第2位の経済大国となった。アメリカのオバマ大統領就任期間(2009年1月~17年1月)は、両国が協力して世界経済発展に努める姿勢を見せ、グローバリゼーションの進展により世界は豊かになっていった。そして現在ではGDPが、朱鎔基時代1.6兆ドルの11倍もの18.3兆ドルまで到達した。
しかし、2017年にトランプ大統領が就任すると、両国の関係が激変し、米中摩擦が激化していくこととなった。
そして2019年12月に武漢で発生した「新型コロナ」が世界にパンデミックを引き起こすと、両国の反目が決定的となり「デカップリング」と言われる「両者が離れていく状況」が常態化してしまった。今のアメリカは共和党であろうが民主党であろうが、どちらも反中国なので、政権交代でこの流れが変わることは期待できない。しかも今回またトランプが大統領に就任してしまい、この流れが加速すると思われる。
そして中国国内では、武漢封鎖(2020年1月~4月)後に、世界中が新型コロナで苦しむ中、2年間完璧に抑えていた。しかし新型コロナが、感染力の高いオミクロン種に変異し中国に再び入ってきたため、2022年4月から5月にかけて上海を2ヶ月も封鎖した。その後経済は急下降を見せ、ついには長年累積してきた中国の不動産バブルが崩壊するまでに至った。
