投資のことをよく理解している人が、朝一番にすることは「長期金利を確認する」ことらしい。

個人投資家は自分が投資している銘柄が気になってしようがないとは思うが、投資のプロは1つ1つの銘柄のチェックは、もっと後でチェックするという。そして長期金利の上昇局面では彼等は投資しないらしい。

何故かと言うと「金利の上昇は、株式の将来価値を毀損するから」ということだ…よく分からない?

これを理解するためには「価値(Value)」とは何かを理解する必要がある。価値とは「投資が産み出す純現金収入(Net Cash Flow:NCF)と資金調達コスト(Financing Costs:FC)のバランス」だ……しかし、これもよく意味がわからない。

具体的には、例えばここにNCF(純現金収入)が1億円の不動産があったとする。そして、このNCFが2億円に上がったとすると、当然価値も2倍になる。これは分かり易い。

次は、このNCF1億円の不動産を、A社は10億円と評価し、B社は20億円と評価した。同じNCFなのに何故A社とB社で評価額が違うのか?

その評価に関係しているのが「資金調達コスト」だ。A社は資金調達コストが10%なので、1億円÷10%=10億円となり、B社は5%なので、 1億円÷5%=20億円となる。

大企業のように信用力が高く資金調達コストが低ければ、高い値段で購入することができるが、信用力の低い中小企業は、それができない。だから価値(Value)は、同じNCFでも企業によって相違が出てくるのだ。

それを纏めると、価値とは「①投資が産み出す純現金収入(NCF)に対して正数の関係で、②資金調達コストに対して逆数の関係になり、③その両者のバランスで決まる。」ということになる。