トランプの登場で、FRB(米国連邦準備制度理事会)が政策金利の引き下げが困難な状況になってきている。政策金利を決定するFOMC(米連邦公開市場委員会)では、2025年末の政策金利について、2024年9月時点では3.25~3.50%との予想が中央値だった。これは2024年末の政策金利である4.25~4.5%から、0.25%ずつ4回利下げされる計算となる。しかし、12月のFOMCでは、中央値が3.75~4.00%に上昇し、0.25%ずつ2回利下げされるとの見方に変わった。そして債権市場では、利下げが全く無い可能性すら感じて、長期金利が上昇している。
価値(Value)は「資金調達コストに対して逆数の関係」だと説明した。だから「金利の上昇は資金調達コストを押し上げ、価値(Value)を毀損する。」ことになるのだ。
そしてついにはイールドスプレッドが0.52%と、プラス圏に突入してしまった。ここまで来ると株価を論理的には説明できない、所謂「バブル」の状況ということだ。
株式の投資家はFRBの金利引き下げを織り込みすぎていた。しかし期待は外れ、ここからは当然調整が必要になる。しかも大きな調整が。トランプの再登場は早速波乱を巻き起こしそうだ。
