北海道の北見市の市長が「このままの財政運営を続けていけば、収支見通しは大幅に悪化する」と明かした。北見市が去年公表した中期財政計画によると、来年度から、毎年30億円以上の収支不足になる見通しだと明かされたのだ。

北見市は、北海道一大きな面積に加え、道内主要都市で最も低い人口密度となっている。原因は2006年、周辺の3つの町と合併したことにある。

同時に、インフラの規模も大きくなり、人口1人当たりの市道の長さは、札幌のおよそ6倍。水道と下水道の長さも、それぞれ3.4倍、2.5倍に上る。公共施設も多く、体育館は札幌市と同じ14カ所。図書館は8カ所と、札幌市に次いで道内2番目の多さだ。

インフラや公共施設の維持管理や運営にかかる費用は、老朽化に物価高が重なり、合併した後、およそ20億円増加し、このままでは「第二の夕張」となってしまう。

北見市はゴミ袋の値段や給食費を上げたり、保育園や学校の統廃合、市長や課長以上の減給などを行うとしているが、この程度で改善できるとは思われない。

同じ道内の夕張市は2007年、353億円の赤字を抱えて「財政再生団体」に指定された。負債を返すため水道代や税金は引き上げられ、小学校はたった1校に。返済は今も続き、人口は当時の半分以下になった。このままでは北見市も同じ道を辿ることになる。