結局トランプ大統領は4月12日に「スマートフォンやパソコンなどの電子機器を、中国へ課す145%の関税から除外する」と発表した。まったく何をやっているのだろう。メンツ丸潰れだ。

このまま関税が発効するれば、iPhoneが15万円から30万円になると分かったので、このままでは国民から大反発を喰らうので、慌てて除外したらしい。本当にみっともない。これが世界最強国家アメリカのやることだろうか。そんなことは最初から分かっている話だ。

スミスの教え通り「分業と交易」で、世界は本当に豊かになった。1990年以降に中国の勃興でグローバリゼーションが進展し、世界のGDPは30年で4.6倍!にもなった。

そしてこの世界が良くなる流れは、アメリカの大統領がどんなに権力を持っていようと変えることは出来ない。確かに世の中は「悪いニュース」で溢れている。しかしハンス・ロスリングが著書ファクトフルネスで教えてくれたように、貧困率/識字率/幼児死亡率/平均寿命/犯罪率など様々な指標からみて「世界は非常に良くなっている」ことが厳然とした事実だ。

しかし一方で、アメリカの政治家の質が非常に衰えてきているのも事実だ。貿易赤字の意味さえ知らない。そして国内や国外の分断を煽り、ポピュリズムに走り、結果として理性を欠いた政策を頻発する最悪の政治。このままではアメリカ覇権の終焉は目の前だ。