確かにコロナで世界経済が停止した後、巨大な市場が再開する過程での混乱は避けようがない。世界は密接に繋がっており、当然日本も大きな影響を受ける。しかし世界経済にはそれを調整する能力もあるので、必ず収束に向かう。

そもそも木材に関しては、ウッドショック時も世界マーケットでは価格はほぼ上昇していない。アメリカの需要急増と物流網の混乱により日本に「木材が入ってこなかった」ため、国内の値段が急上昇しただけだ。

そして既に世界のマーケットにおける木材や鉄鉱石の価格はコロナ前の水準以下に低下した。しかし日本においては、下落には転じたが、まだまだコロナ前の水準まで戻りきっていない。この原因は何なのだろうか?

現在日本国内の建設業界で問題になっているのは、岸田政権が、価格転嫁を推奨しすぎた結果、寡占メーカーがカルテルを結んで高額でしか納入しないようにしている、所謂「グリードインフレ(強欲インフレ)」だ。

強欲は市場を歪める。そして必ずしっぺ返しをを喰らうものだ。そして、その兆候は非常に明らかになってきている。建設業界では仕事が急減しているのだ。このまま行くと、2025年は新規着工面積が初の1億平米割れになると予測される。

強欲は市場を歪めるが、市場には歪みを調整する能力がある。調整の方法は、需要を減らすか、供給力を上げるかだ。

今回は需要を減らす方向に動いたようだが、これがアダム・スミスが言う「神の見えざる手」だ。天罰が下る時が来たようだ。