我々一般人は「金融」というと、「非常に複雑で生産性が高いから給与も高い。」などと勘違いしているが、そうでは無い。金融は資金を適切に配分するためのモノで、それ以上でも以下でも無い。ただ、その配分が上手くいけば、その先にある企業が多くの付加価値を生み出し、世の中が豊かになる。その意味では資金の適切な配分も、立派な労働ではある。実際にアメリカは世界中からお金を集め、再度世界中に投資をすることで、世界の銀行として莫大な利益を上げている。

しかし繰り返すが、決して「お金(金融資産=金融負債)」それ自身で付加価値を作り出しているのでは無い。付加価値を生み出しているのは、その先にある個々人の「労働のみ」だ。アメリカが世界に投資している先の「労働」が利益を上げ、金利や配当としてアメリカに払っている。

その意味では、資本ストックが高まって、教育レベルが上がれば、労働によって生み出される付加価値は世界中で同じレベルに収斂されるはずだ。同じ人間である限り、アメリカ人であろうが、日本人であろうが、中国人であろうが労働に大きな差は生まれようが無いのだから。