アメリカのFRB発表によると、2023年末時点でアメリカの個人金融資産は118兆ドルもある。日本円にして1京7751兆円(1ドル=150円)だ。日本の個人金融資産が2199兆円なのに比べて、約8倍!にもなっており、人口はアメリカ3.3億人と日本1.2億人と2.7倍なので、一人当たりで約3倍もの金融資産を持っている計算になる。とんでもない金額だし、大きな差が付いたとマスコミも大きく取り上げた。確かに大きな差が付いているが、何かおかしくないだろうか? 何度も言っているように、金融資産の裏には必ず金融負債があり、合計は「ゼロ」だ。ではどの部門に負債が溜まっているのだろう?

毎年のようにアメリカの政府債務上限問題がニュースになるのでイメージ的には政府だが、そこでは無く実は「企業部門」だ。

企業部門は23年末で△80兆ドル(1京2000兆円)もの負債超過になっている。では倒産するのかというとそんな事は無い。何故なら「株価が上がっているから負債が増えている」のだ。企業にとって資金調達方法は大きく2つで、銀行などから借入をするか、株式を発行するかなので、企業から見ると株式も負債だ。そして株式を購入している個人などからすると資産になる。

そしてこの部分が大きく膨らんでいるので、個人金融資産が増え、企業負債が増えているのだ。問題はこの株価が適正かどうかだ。株価は将来的にその企業が生み出す利益の合計になるはずなので、もし利益を生まないのであれば、「株式バブル」が発生しているということだ。

投資の神様と言われるウォーレン・バフェットの「バフェット指数」的には、アメリカはその適正値を大きく超えている。もしかすると、ここに「史上最大のバブル」が潜んでいるかもしれない。