2回目の波は、2015年の不動産上昇期だが、これが歴史上一番急激な上昇を記録している。これは2014年の不動産不況に伴い、政府が2014年11月から2015年11月まで5回の金利引き下げを行い、利率は6.55%から4.9%となった。当時は7.3%以上の成長率があったのを考えると思い切った金利引き下げだと考えられる。更に預金準備率も5回引き下げた結果、4兆元が市場に放出された。また4兆元だ…この効果は絶大だ。
更に言うなら2014年の不動産不況と言っても、それまでがGDP成長率を大きく上回る成長してきたための調整に過ぎなかった。市場経済には必ず周期があり、それがスミスの言う「神の見えざる手」の最適化への調整力だ。中国は市場経済を導入したが本当の意味で市場経済を理解していなかった。
その結果、調整すべき局面で逆に大量のガソリンを注いでしまった。当然不動産マーケットは爆発的な上昇を見せた。上海などでは2014年末から2016年末までの2年間で30000元/㎡から58000元/㎡へと2倍近くに価格が跳ね上がった。この結果一般家庭では不動産の購入が不可能となり大きなバブルが形成された。