中国は決して日本と同じ道を歩んではならない。それは中国だけでなく、日本や世界にとっても不幸なことだからだ。アメリカや日本には中国の台頭を恐れるあまり、嫌中感情を剥き出しにして、中国の衰退を願う連中がいる。しかしそれは不可能だ。目覚めた龍はもう一度眠ることは無い。確かに景気の浮き沈みはあるだろうが、確実に発展を続ける。それに現況を打破するために、中国政府には日本政府と違って、やれることが山ほどある。
2022年の中国の政府債務は92兆元(1840兆円)で、GDP120兆元(2400兆円)の約76%となっている。アメリカ政府債務はGDP比で121%、日本政府債務はGDP比で260%と比較すると、まだまだ低い。それと中国は経常黒字国であり、国債は日本同様すべてが内国債なので、国債の比率がどれだけ膨らんでも原理的にデフォルトすることは無い。ギリシャやアルゼンチンなどの国とは状況が全く違う。
それと何と言っても中国政府は巨大な実物資産を持っている。その代表が土地だ。日本政府などの資本主義諸国の政府には売却できる実物資産はほぼ無い。首相官邸やF15戦闘機を売却する訳にもいかないので、国債を発行している。しかし中国政府には土地や国営企業など実物資産で売却可能なものが大量にある。
中国の国富(実物資産)は2020年で120兆ドル(1ドル=150円:1京800兆円)であり、アメリカの90兆ドルを抜いて世界一で、日本の31兆ドルの約4倍となっている。アメリカや日本の国富は民間所有の物が多いが、中国の場合その多くが政府所有であり、それは中国政府が「桁違いの金持ち」だということを意味している。