古代文明の発祥の地で悠久の歴史を持つ国。少なくとも中世まではこの国が世界で一番発達した国であったことに疑いは無いだろう。近代に入ると帝国主義による蹂躙、国内闘争による混乱などで、先進国からは経済発展において大きな遅れをとった。
しかし実際に何年も生活してみて、しみじみ「中国人は賢い」と思う。経済が発展して、教育レベルがここまで上がった現在では、一昔前の混乱期に再度後戻りすることは考えられない。ということは、中国は確実にこのまま発展を続け、その歩みを止めることは無い。
OECDの予測によると、少し先の話だが2060年には中国のGDPは日本の約10倍になるという。将来の経済予測をする時に1980年代には誰も気にすることの無い存在であった中国、それが2010年には日本のGDPを抜き、2024年現在ではすでに日本の4倍を超えている。高速で抜き去られ、差が急拡大している。日本はそれに対抗するために防衛費をGDPの1%増額するという…それに一体何の意味があるのか? この差を理解しているのか?
政治というのは厄介なもので、すぐに敵を作りたがる。敵を作ることで内側が結束し、更に深く「内巻」がはじまり、分断が加速する。日本は小さな国だから上手く立ち回るしかない。その為には周囲の状況を冷静で的確に把握する必要がある。