しかしよく似ている。まさに中国共産党の中の「変人」が習近平氏だ。1980年以降の高度成長期の中国共産党は、周永康に代表されるような「権力と汚職と腐敗」が当然の世界だった。最近中国で話題になったテレビドラマ「狂飆(クワンビィヤオ)」も、その時代背景と「権力と汚職と腐敗」を題材にしたものだが、とても面白かった。しかしこの風景は日本もかつて通ってきた道だ。官官接待、公務員と業界の癒着、裏金、談合、ヤクザ…どんな社会でも急成長の過程では必ず起こり得ることだ。
中国も習近平氏の登場で大きく変わっている。今まで権力を盾に汚職を繰り返していた党員や官僚は、権力や職を剥奪され、牢屋にぶち込まれている。この数が半端じゃない。だから不動産開発などで便宜を図ってもらおうと贈り物などを準備しても、公務員は絶対に受け取らない。数年前までは贈り物がなければ、話も聞いてくれなかったのに。まさに隔世の感がある。
海外メディアでは「同じ共産党」として見られているが、周永康に代表される共産党はとっくにぶっ壊されて、組織としては大きく変わった。どこの世界でも「変人」は強い。