アメリカはいつまで覇権国であり得るのだろうか?
ドルショックで「金」との楔を断ち切り、1980年代から始まる金融自由化で様々な金融商品が開発され、資本市場は際限なく拡大している。
フランスの経済学者トマ・ピケティは著書「21世紀の資本」で、2017年時点で世界の金融資産は実体経済(世界GDP)の3.2倍になった。その成長率は9.1%でGDP成長率5.7%を大きく上回る。つまり実体経済成長率<資産収益率となっており、資産を持つ金持ちと持たない一般庶民との格差が急拡大していると警鐘を鳴らしている。
正確には金融負債も同額増えているのだが、アメリカの場合には多くが株式という企業側から見た「負債」、個人側(家計)から見た「資産」として増えている。前にも述べたが「この株価が正当な価値を表しているのか?」が重要な問題だ。
バフェット指数からするとアメリカの株価はGDPの209%と、正常値(GDP100%以下)を2倍以上超えている!
それに比べて中国の株価はGDPの48%と半分以下に位置している。これは正しいことなのだろうか?
アメリカの経済は異常に水膨れしているのではないだろうか?
付加価値を生み出すのは「労働」のみなので、教育水準が十分に上がった中国は、OECDの予測通り経済規模で必ずアメリカを追い越す。
アメリカの最先端企業といっても、その実は広告収入に大きく依存していたり、完全なコモディティ化で競争力を無くしていたり…
本当にアメリカは覇権国であり続けることができるのだろうか?