アメリカはよく知られているようにGDPの80%が第3次産業、いわゆるサービス業の国だ。サービス業が悪いとは全く思わない。アダム・スミスが「消費こそが生産の唯一の目的」と言っているように、サービス業が豊かなことは非常に良いことだ。
しかし消費をする為には生産しなければならないが、アメリカの製造業は、GDPに占める割合は減少を続け1980年の20.5%から2020年には10.1%まで落ち込んだ。
逆に金融保険不動産や法律/会計/技術などの専門サービスといった「消費」を伴わないサービス業が非常に増加しており、2020年にはそれぞれ21.6%と12.8%まで増加し、製造業を上回った。
現在の不動産は金融業と一体であることを考えると、金融資本主義の発展(膨張?)がこの現象を生んでいると考えられる。これは正常な状態なのだろうか?
アメリカの個人(家計)は金融資産の40.5%を株式の形式で所有している。日本は14.2%なので比率としてはかなり多い。しかし比率だけでは実態はよく理解できないが、金額ベースで見るとその異常さがよく分かる。
アメリカ家計の株式金額 7189兆円(1ドル=150円)。
日本家計の株式金額 312兆円。なんと23倍!もある。
この株式の資産膨張効果でアメリカ経済が維持されているとしたら恐ろしいことだ。もしこの膨張がバブルで、それによりアメリカの莫大な消費が維持されているとしたら…この後一体何が起こるのだろう?