古来よりずっと覇権国であり続けた国は存在しない。古代で言うとローマ帝国、唐王朝、モンゴル帝国など色々変遷してきた。15世紀以降でもポルトガル、スペイン、オランダ、イギリス、そしてアメリカ…と幾度も変遷してきた。

アメリカの覇権であっても永遠ということはない。アメリカのGDPは間違いなく中国に追い越される。IMFが発表する購買力平価ベースGDPでは、実はとっくに追い越され差が拡大している。

先日iPhone16が発表されたが市場は失望し、株価は大きく下落した。同日にHuaweiが3つ折りの携帯を発表し、こちらは中国国内で大きな反響を生んだ。約48万円!(24000元:1元=20円)と非常に高額にもかかわらず、予約が殺到している。しかもHuaweiはアメリカの半導体輸出規制を受けているが、自社で半導体も製造できるようになり、制裁は全く効いていない。それどころか今まで国外に頼っていた技術もどんどん自国で作れるように進化している。

これはマイクロソフトのビルゲイツ氏が恐れていたことで、中国を孤立させると国内でハードもソフトも作るようになり、それが将来的な脅威になると言っていたが、正にそれが現実となってきた。

10月10日にテスラが自動運転タクシーを発表すると発言し、期待値で株価が上昇したが、発表後に失望から10%以上も下落した。一方の中国ではとっくに何千台ものドライバーがいないレベル4の自動運転自動車が、多くの都市で実際に稼働している。

経済力、マーケット、技術力…アメリカの優位性はどこにあるのだろう? 今後も覇権国であり続けられるのだろうか?