本当に森知也氏の予測通りになるのであれば、地方都市には打つ手が無い。しかし本当なのだろうか?
ハンス・ロスリングは著書「ファクトフルネス」で人間には「直線本能」があると教えてくれた。日本は人口が減少しているが、世界で見れば人口は増加を続けている。そして多くの人が「人口がひたすら増加し続ける」ことをを心配している。確かに2000年に60億人だった世界人口は、現在では80億人を越えた。とんでもない増加スピードで心配するのも理解できる。
1800年以前には世界人口は9億人で自然と調和(増えも減りもしない状態)していた。その当時は女性は平均で6人の子供を産んでいた。しかし4人が若くして亡くなっていたので人口が均衡していた。いわゆる「自然と調和しながら死んでいった」という状態だった。
そして1900年以降に世の中が発展し、子供が死ななくなった。しかし出産数はそれほど急に減らなかったので、「自然との調和が崩れて」世界人口が爆増した。
そして現在、2人を産み、ほぼ全員が成人できるという新たな調和を迎えた。現在の15歳以下の人口は20億人で既に安定している。直線本能に反し子供の人数は、もう増えることはない。今後も30億人の人口増加があるが、それは大人の寿命が伸びたため「大人の人口」が増えるからだ。そして世界人口は110億人で増加を止める。
ハンスの言う通り、人間には直線本能がある。しかしファクトを見ると「人口がひたすら増加し続ける」ことはありえない。