人間の直線本能に反して、「人口がひたすら増加し続ける」ことはあり得ないことは分かった。そして、それは逆も同じことが言える。
直線本能的には、日本の人口も「ひたすら減り続け」、日本が消滅するような気がするが、そんなことはあり得ない。必ずどこかで「自然との調和」を迎える。
現在の将来人口予測は、合計特殊出生率を基に計算されている。それは現在の出生率が将来も「直線的に推移」することを前提としている。高位推計で1.64、中位推計で1.36、低位推計は1.13が直線的に継続することを。
これは典型的な「直線本能」によるミスリードだ。そもそも、合計特殊出生率は「①晩婚化が進むと、実際の出生率より低くなる。②母数に未婚者を含んでいる。」などの根本的な問題がある。それに基づく将来人口予測も、必然的に問題を内包している。そこに「直線的に推移する」というバイアスが加われば、日本消滅の未来がみえてくる。
危機を煽りたい人々がいることは自然なことだが、しかしそんなことはあり得ない。我々生物はどこかで必ず「自然との調和点」を見つける。
現在の合計特殊出生率が極端に低いのは、バブル後の就職氷河期を起因とする「若年層の未婚率の増加」が原因だ。課題が明確になると、対策も変わる。
幸運にも現在の若者は、就業状況が非常に好転している。それに事実婚を認めるなどで20代の未婚率が下がれば、状況は一気に違うものとなる。日本が消滅するなど心配する必要はない。