日本の2022年のGDPは567兆円だった。これは先ほど言ったように「生産面」「分配面」「支出面」のどの面から見ても567兆円になる。そして、ここから色んなことが分かる。
なお最初に「分配」を別の見方をしたい。分配を受けた人、例えば従業員の給与収入(=分配)が40万円あった場合、家族の生活費の為に20万円使かい、税金(各種公的保険を含む)を10万円支払い、残った10万円が貯蓄になる。要は、使い道は3つしか無い。つまり「使う(Consumption)か、貯める(Save)か、税金(Tax)か」だ。ここで言う「貯める」は残った全て(消費と税金以外)のお金のことで、それが財布に入っていようが、銀行に預けようが、誰かに貸していようが、関係はない。これは分配が個人に回ろうと、企業や長崎市のような自治体に回ろうと同じで、最終的には「使うか、貯めるか、税金か」となる。だから分配面から見たGDI(=GDP)は「消費+貯蓄+税金」となる。
GDI(=GDP)=C+S+T
具体的な数字は、GDI567=消費315+貯蓄132+税金120
支出面から見たGDE(=GDP)とは、民間(家計・企業)が、消費(Consumption)支出と投資(Investment)支出をし、政府も税金を元に財政(Government)支出をし、海外の人も輸出(Export)と輸入(Import)の差額を支出する。だから支出面から見たGDE(=GDP)は「消費+投資+政府+(輸出ー輸入)」となる。
GDE(=GDP)=C+I+G+(EX−IM)
具体的な数字は、GDE567=消費315+投資123+政府152+(輸出123−輸入146)
ゆえに、C+S+T=C+I+G+(EX−IM)
ここから非常に大切な恒等式が導かれる。
(S−I)=(G−T) +(EX−IM)
これをISバランスという。