救世主「キノコ」に救われた地球は、石炭紀には生態系の維持が危ぶまれる「危機的水準」まで落ち込んでいた二酸化炭素濃度も回復し、温暖な気候になった。

そして約2億年前に恐竜の時代(ジュラ紀/白亜紀)を迎え、今の人間と同様に恐竜が「地球の覇者」となっていた。その当時我らの御先祖の哺乳類は、ネズミやモグラのような小さな小さな存在で、恐竜の食べ残しなどを頂いて暮らしており、とても恐竜に対抗できる存在ではなかった。

そんな恐竜の時代の二酸化炭素濃度は、石炭紀から回復し現在の4~6倍もあり、気温も現在より3度ほど高かった。そこには映画「ジュラシックパーク」で見たように、巨大な恐竜が闊歩し、高さ50M以上もある巨大な植物(針葉樹アロウカリアは80M級!)が繁茂する大自然が存在していた。

植物も動物も炭素から出来ている。だから巨大な恐竜や植物は空気中の豊富な二酸化炭素に支えられて巨大化したのだ。

植物は現在の4~6倍もの濃密な二酸化炭素を吸収し、光合成で多くの糖を作り、その糖からセルロースやリグニンを作ることで巨大化し、それをブラキオサウルスのような巨大な草食恐竜が食べ、それをティラノサウルスのような凶暴な肉食恐竜が食べる。そして巨大な植物の落葉や倒木、恐竜の死骸をキノコや微生物が分解し、CO2を空気中に戻す。その巨大な生態系は、濃密な二酸化炭素濃度に支えられ循環していた。