現在は資本取引が主役の時代になり、巨額のマネーが飛び交っている。ではお金とは一体なんなのだろうか?
お金の話というと、よくマスコミで日本の借金が1400兆円を超えてこのままではデフォルトするとか、個人金融資産が2000兆円もあるからそれを利用しろとか、もっともらしい話を聞くがこれも典型的なニセ経済学だ。
では日本の金融負債は幾らあるのか知っているだろうか? 有名なのは政府負債で1441兆円だと思う。よく財務省が国民一人当たり1100万円の借金があるとか宣伝している金額で、マスコミや政府が大変だと言っているものだ。しかし金融負債は当然それだけでは無い。金融負債の主体は大きく「政府、家計、企業、金融機関、海外」の5つに分かれる。2024年3月時点で負債額はそれぞれ、政府1441兆円、家計432兆円、企業2424兆円、金融機関5157兆円、海外1584兆円となっており、合計で1京1038兆円もある。
では金融資産はどうだろうか? こちらは、政府885兆円(△556兆円)、家計2234兆円(+1802兆円)、企業1555兆円(△868兆円)、金融機関5262兆円(+105兆円)、海外1101兆円(△483兆円)となっており、合計で1京1038兆円となっている。
気付いた人もいると思うが、金融負債と金融資産の金額は1円単位でピッタリ合う。なので金融資産と金融負債を足すと必ず「ゼロ」になる。簿記を少しでも勉強した人なら理解できると思うが、誰かの債権は必ず誰かの債務と一致する。だから1円単位でピッタリ合うし、合わなければ計算が間違っている。