第4段階は、中央政府のマクロ政策だ。所謂、財政出動や金融政策のことだが、大きな波として3回ある。
1回目の波は、2008年のリーマンショックに伴う「4兆元の財政出動」だ。下僕は2007年から南京で商業施設の開発に従事していたが、当時は中央政府が景気の過熱を心配しマクロコントロールで資金の貸出を抑制していた。そのためプロジェクトのオーナーである中国のデベロッパーの資金がショート寸前で工事が進まず、倒産するのではと非常に心配していたらしい。
そんな時にリーマンショックが起こり、政策が180度転換され、一気に資金が貸出された。下僕達も、そのおかげで銀行から必要以上の融資を受けることができ、無事開業することができたという。リーマンショックに感謝だ。
なお必要以上ということは、資金が余るということなので、こういう資金が別の用途に使われることになる。この中国企業は余剰資金でニュージーランドの牧場、アフリカの銅山、上海の土地購入などを行った。経済原理から言えば採算が取れる事業であれば決して悪いことでは無い。ただ往々にして資金が簡単に手に入る環境下では、資金が投機に向かってしまう。この当時は個人でも身分証さえあれば銀行から低利で融資を受けられ、株式や不動産の投資で儲けられる時代だったので、この時期に「爆発戸」が激増した。