中国は「98房改(房=不動産のこと)」と言われ1998年に不動産の市場取引が開始された。それから凄まじい勢いで不動産の価格は上昇していき、2000年から2023年の23年間で、上海では3000元/㎡から70000元/㎡の23倍、北京では2000元/㎡から65000元/㎡の33倍、深圳では2000元/㎡から64000元/㎡の32倍と、桁違いの上昇をした。
上海の70000元/㎡というのは共用部を含めた単価なので、日本の感覚で言うと70000÷80%(専用部取れ率)×20円(2023年レート:1元=約20円)=175万円/㎡となる。これは80㎡のマンションで1億4000万円というとんでもない高額だが、これはあくまで広大な上海の平均金額で、中心部近辺になると、その3倍以上は当たり前の世界となる。
金額の絶対額の問題だけではなく、家計収入との相対額がもっと問題となる。上海の世帯平均収入は2022年時点で約18.5万元/年(7.96万元/人×2.32人/世帯)、日本円にして約370万円なので、仮に上記の80㎡のマンションを購入すると考えると、世帯収入の37倍を超えてくる。日本でよく住宅購入は年収の6倍以内と言われる水準を考えると、逆立ちしても購入出来ない。