世界には2つの巨大市場がある。世界最大の市場の中国と、第二の市場アメリカだ。しかし、その2つの市場ではマーケットの状況が大きく違ってきた。
世界最大の車市場である中国では、新型コロナで縮小した市場が回復に向かっているが、市場を拡大しているのはEV自動車で、ガソリン/ハイブリッドは2013年の水準まで落ち込んでいる。そしてEV市場には多くのスタートアップが参入し、非常に激烈な競争となっている。
そして第二の市場であるアメリカは、テスラのイメージでEV自動車のイメージが強いが、実は圧倒的にガソリン自動車が強い。テスラが走っているのはカリフォルニアやニューヨークなどの極一部の地域にすぎない。
そしてこのマーケットの二極化が日本の自動車メーカーの命運を左右している。トヨタは全方位戦略でハイブリッドを中心にガソリンもEVも水素も展開している。企業体力が圧倒的に強いから出来る戦略だ。結果的に中国市場では苦戦しているが、アメリカ市場で利益が激増し、2023年には史上最高益を叩き出した。
一方の日産とホンダはEV自動車に転換した。企業体力的に選択と集中をするしか道がなかったのだ。しかしそれが裏目に出た。中国市場のEV自動車では、価格・性能共に全く競争になっていない。そしてアメリカ市場では、中国のEV自動車は入ってきていないが、そもそもEV自動車のマーケットが全然伸びず、売上も上がらなかった。
その結果、年始早々、日産自動車の経営危機が報道され、ホンダとの合弁交渉が進展していると伝えられた。しかしそれから1ヶ月も経たずに合弁計画が破綻した。
何をやっているのやら…自社が置かれた状況を全く把握せず、醜い権力争いとは…これでは淘汰されるのも時間の問題だ。
