トランプ大統領は、就任式の翌日2025年1月21日に、ソフトバンクの孫正義氏とOpenAIのサム・アルトマン氏、オラクルの創業者ラリー・エリソン氏とう大富豪を従えて、スターゲート計画の発表記者会見を行った。この計画はAI専用のデータセンターに5000億ドル(75兆円:1ドル=150円)を投資するという、超大型投資プロジェクトで、就任早々トランプ大統領の笑顔が弾けていた。

しかし、その裏で中国初の激震が起こっていた。杭州幻方科技有限公司、英語名DeepSeekがDeepSeek-R1モデルを正式発表したのだ。

DeepSeekはAIの企業で、R1はOpenAIの最新モデルo1と同等以上の性能を叩き出している。第一報を聞いた時には、それだけの性能を達成するのであれば、中国の国家プロジェクトで数十兆円を注ぎ込んで開発したのではないか思った。しかし実際は全く違った。

スターゲート計画発表の時点では、トランプだろうが孫さんだろうが、アルトマンでさえ、中国初の激震の意味を理解していなかった。

DeepSeekは、①開発期間たったの2ヶ月で、アメリカのビックテック企業が何年もかけて到達したレベルに達し、②開発費用は僅かに560万ドル(8.4億円)で、スターゲート計画の0.001%=10万分の1でしかなく、③使用しているGPUは、アメリカが中国に輸出規制をしているので、H800という最新の何世代も前のレベルのものを使っている…それでいて、OpenAIの最新モデルo1と同等以上の性能を実現しているのだ!