DeepSeekの投資額はスターゲート計画の0.001%でしかなく、しかも何世代も前のレベルのGPUを使っているという事実は、今までのアメリカのビックテック企業の巨額投資の正当性を大きく揺るがした。その筆頭がNVIDIAで、株価は17%も急落し、なんと約92兆円もの価値が1日で吹き飛んだ。
何故こんなことが可能になったのかというと、DeepSeekはAIの訓練方法に、直接型強化学習と呼ばれる革新を起こしたことで、訓練効率が飛躍的に上がり、コストが劇的に下がったと言われている。
それと、もう一つの特徴としてDeepSeekはオープンソースであり、OpenAIやGoogleなどのクローズドタイプではなく、誰もが利用できることも非常に大きい。Metaのマーク・ザッカーバーグもFacebookを立ち上げる時にオープンソースの力を借りたらしく「オープンソースが技術革新の基盤だ。」とも言っている。
結果的に、OpenAIのo1は100万トークンあたり60.0ドルのコストがかかるが、DeepSeekのR1は僅かに2.2ドルで96.4%も安く、同等レベル以上の答えを出せるのだ。
革新は制限された環境の下で生まれる。まさに「必要は発明の母」だ。その意味ではアメリカが最新のGPUなどを中国へ輸出規制したことがイノベーションを起こさせたとも言える。
GPUというハードで対抗できないのであれば、別の道を模索するしかない。その模索の結果、DeepSeekのイノベーションが起こり、アメリカのビックテック企業に激震が走っている。
