第二次世界大戦が終結した1945年、世界には平和が訪れたと思っていた。しかし中国の春はまだまだ遠かった。
中国の外国との戦争は終わったが、そこから一旦休止(国共合作)していた国民党と共産党の内戦が再開する。そして1949年10月1日 共産党が勝利し、中華人民共和国が成立した。
しかし国情はそこからも落ち着くことはなく、1952年には朝鮮戦争に参戦し、1958年〜61年大躍進政策の大失敗で未曾有の飢饉が発生し多くの餓死者を出し、更に1966年〜76年は文化大革命の権力闘争で国内は地獄と化していた。そして1978年12月の第11期3中全会で鄧小平氏が実権を掌握することで「改革開放」を迎え、やっと国内が落ち着きを取り戻した。
ここまでなんと戦後33年も費やしている。1840年のアヘン戦争から数えると138年もの長きに渡り、戦争や内戦、内乱を繰り返し、平穏を迎えることがなかったのだ。
当然ながら国内は疲弊し切っていた。教育機関も麻痺状態だったので、国民の教育レベルも急落していた。その中で改革開放は始まったのだが、底辺からのスタートであり、一歩踏み出すのも非常に緩慢で、何かを改革しようとすると多くの反対が噴出し、西側諸国との差は広がるばかりだった。
これでは世界に追いつくことは出来ないと思った鄧小平氏は、1992年武昌、深圳、珠海、上海等を視察し、改革開放を加速する「南巡講話(南方談話)」と呼ばれる重要事項を発表した。ここから本当の中国の「改革開放」が始まったと考えるのが正確だと思う。実に戦後47年も経っていた。
