中国の固定資産投資を支えてきたのが「城投公司(チェントウゴンスー/城=都市、投=投資)」と言う、日本の第三セクターのような存在で、よく「融資平台(融資プラットホーム)」などと呼ばれる。中国は地方政府が発行する地方債に対して厳しい制限をしている。だからそれを回避するために「融資プラットホーム」を利用して資金を調達し、投資を行っている。金融機関なども最終的には政府が保障すると考えているので、安心して融資をしてきた。そして2023年6月時点で65兆元(1300兆円)もあり、恒大集団の債務2.4兆元(48兆円)の27個分もあるとして世間をザワつかせている。
確かに問題ではある。この1300兆円という巨大な資金の多くが道路などのインフラに投資されており、要は投資効率が非常に悪い分野に投資されており、普通に考えると回収が難しいと考えられるからだ。この事は嫌中派の人々にとっては喜ばしく「破綻しろ!ザマーミロ!」という大合唱が聞こえている。だが本当にそうなるのだろうか?
城投公司(=実質的に政府)の債務65兆元は、2023年の中国のGDP予測値130兆元(2600兆円)の約50%となっている。一方日本政府の債務は2022年時点で1452兆円、GDP 557兆円の約260%となっている。何かおかしくないだろうか? 一方は50%で破綻すると言われて、一方は260%なのに安全資産(10年国債金利0.8%!)と言われる…本当にそうなのだろうか?