例えば次世代通信の5G技術については、中国が世界の40%以上の特許を持っており、世界1位だ。次の世代の6Gに関しては60%を超えている。だから世界の携帯通信インフラのシェアNo.1は中国だった。
それを嫌ってアメリカは安全保障場の問題として、最大の特許所有者のHuawei(華為)に対して、半導体の輸出を禁じる規制を発動した。スマホは半導体が無ければ当然作れない。アップルやサムソンなどでも半導体の全てを自社で製造などしておらず、複数の企業が協力しあっている。半導体製作装置などはオランダのASLMなどが作っているが、制裁はそこまでも及んでいる。Huaweiはスマホが作れなくなり、倒産の危機に瀕した。
しかし確実に倒産すると言われていたHuaweiは、2024年上半期(1~6月)の売上が4175億元(約8兆4610億円)と、制裁前の2019年の4013億元を上回り、完全復活を遂げた。
Huaweiはアメリカの制裁のおかげで、自社で半導体を作る技術を獲得し、その技術が進歩することで、中国での携帯電話市場シェアを前年比2倍と急速に伸ばしたのだ。
これはDeep Seekとよく似ている。高性能のGPUが輸出規制で手に入らないので、別の工夫をした結果、そこにイノベーションが起こって、世界を驚嘆させた。
困難を乗り越えることで、人も国家も強く逞しくなる。現在いろんなところで「バリアフリー」が叫ばれているが、人も国家もバリアが無くなると、バリアを超える能力もなくなるのだ。バリアはやはり必要なのだ。
