改革開放(1978年)に際して鄧小平氏が打ち出した「中国特色社会主義」という理論がある。これは簡単に言うと「社会主義の基本理念を時代に合わせて修正し、まずは社会を豊かにし、そこから本当の社会主義を目指そう」という理論だ。特に有名なのが「白猫黒猫論」と言われるもので、「白猫であろうが黒猫であろうが、ネズミを捕まえる猫が良い猫である」として、「資本主義であろうが社会主義であろうが社会を豊かにする方が正しい」として、社会主義の修正と市場経済の導入に裏付けを与えたとされている。

当時の中国はドン底の状態であったが、改革開放以降に爆発的な発展を開始した。その過程で格差が急拡大し、汚職が蔓延った。そこで登場したのが習近平氏(2012年総書記就任)で、社会の不満をバックに「虎も蝿も叩く」として汚職官僚を捕まえまくっている。特に有名なのは「チャイナ7」と言われるアンタッチャブルの中国共産党中央委員を務めた周永康を逮捕した事件だ。本当に虎を叩くのだと、強烈な印象を残した。しかし汚職の金額が3兆円を超えるとされており、桁が幾つも違う。田中角栄や金丸信など日本を騒がせた汚職の金額など鼻くそみたいな金額だ。