それに世界が先進国と途上国に分かれるということも、もはや時代遅れで、データのアップデートが出来ていないという。確かに1960年代までは先進国と途上国に分かれていたが、その後「中進国」が急増している。貧困の割合は1966年には50%であったが、2017年には何と9%まで激減している。先進国16%、中進国75%、途上国9%となっており、世界はとっくに先進国と途上国に分断されている世の中では無くなっている。
人間はネガティブな情報の影響を大きく受ける。これを「ネガティビティ・バイアス」という。特にSNSが発達した現在は、どうしてもネガティブコメントに引っ張られてしまう。
これはニュースなどでも同様で、ネガティブな方が視聴率を取れる。そしてメディアにはネガティブな情報が溢れ、人々は更に世の中が悪くなっていると感じてしまう。
そういう誤った情報に基づいては、正しい判断は下されない。ハンスはそれを憂いて最後まで世界が良くなっている「事実」を発信し続けたのだ。非常に良書で、明るい未来への希望をくれる本だ。