バブルとは帳簿の中にだけ存在するもので、中国政府には現状のバブルを解決する能力はあると述べた。物理的には必ずできると考えているが、一つ大きなハードルとして「公平性」という問題がある。日本でもバブル処理の過程で「あの企業は債権放棄をして貰ったが、この企業はダメだった。」など基準と呼べる明確なものが無く不公平感が充満した。銀行と債務者の力関係など、かなり恣意的な判断で実行された。
しかも日本のバブル処理には約100兆円が投じられた。そこまでの巨額の金額が必要だったのは、経済の悪化を止められなかったことも大きな原因で、時間が経つほど損失は膨らんだ。原因は100兆円の不良債権処理の過程で1250兆円(=100兆円÷8%)もの信用収縮が起こったことだ。
バブルを処理する過程で、全てを公平に処理することなど出来ない。損失を膨らませない為には時間との勝負でもある。何故なら時間がかかると未來への期待が剥がれ落ちる。それを逆転させるのは非常に困難で、日本は30年の時間を要したし、未だに完全復活では無い。
時間との勝負であるので、不動産市場正常化法案など1つの大きな網をかけて、迅速に処理する必要がある。その為にはある程度の「強権」が無ければ不可能だ。当時の日本政府には全く出来なかったことだが、中国政府なら可能だと考える。