ノーベル賞経済学者のスティグリッツは、自由にはトレードオフ(両立できない関係性)があるという。「米国では毎日のように大量殺人が起き、幼稚園や小学校1年の子どもたちは銃を持った犯人が部屋に入ってきた時どうすればいいかを教わる。それが米国の日常生活の一部だ。米国社会はソ連製自動小銃AK-47を携帯する自由を与える代わりに、子どもたちから自由を奪っている。」と述べている。
さらに米国と英国の富の歴史を考察して「1860年当時、米国南部の富の大半は奴隷労働から生み出された。英国はアヘンを中国に売る権利、つまり自由貿易を維持するためにアヘン戦争を仕掛けた。アヘン貿易の理由は非常に単純だった。貿易不均衡だ。英国は中国の茶や陶磁器、絹を大量に欲しがった。逆に中国にはそれほど欲しいものはなかった。そこで英国は中国人をアヘン中毒にさせることで中国が欲しがるものを見つけ出した。」とも述べている。
自由とは本当に難しい、行き過ぎた自由は、もう片方の自由を奪い、殺人や戦争を引き起こす。