世間では真しやかに2027年までに中国が台湾に侵攻すると言われている。私に言わせれば本気でそんなことがあると考えているのかと、知的レベルを疑いたくなる。しかし「ロシアがウクライナに侵攻したじゃないか、中国だってやるに決まっている。」と言うのだ。
先ずはなぜロシアはウクライナに侵攻したのかを考えてみたい。1989年12月に東西冷戦が終結し、北大西洋条約機構NATOに対抗する為に作られた旧ソ連のワルシャワ条約機構は解体した。その後、旧ワルシャワ条約機構加盟国が続々とNATOに加盟した。そして今回、ウクライナがNATOに加盟を希望したことをキッカケに戦端が開かれた。ロシアにとってはウクライナまでNATOに加盟すると、NATOとロシアの緩衝地帯が無くなるので、それは許容できないというのが大きな原因だ。
国際政治は複雑なので当然一つの理由では無い。ウクライナ国内のロシア系国民の問題や他国の陰謀説の様なものまで色々言われている。しかし、それらは傍流で、圧倒的にNATO加盟問題が大きい。
ロシアは侵攻以来経済制裁を受けているが、その国内経済は絶好調で、西側が考えていたような経済が疲弊して終戦を迎えるという望みはほぼ無い。西側諸国にも支援疲れが見えてきている。一旦戦争という最悪の状況に入ってしまうと落とし所が非常にむずかし。なかなか終わりが見えてこない。