アメリカから見た日本はどうみえるのだろう?

ロシアや中国が「仮想敵国」だとしたら、間違いなく防御のための盾で、攻撃の矛だ。何かことが起こった場合、仮想敵国と衝突するのは、その矛と盾だ。

第2次大戦でもアメリカは、本土の都市を一切攻撃されなかった唯一の国家で、無傷のまま終戦を迎え大戦後の繁栄を享受した。当時のアメリカにとっての矛と盾はハワイで、ハワイのみ日本の空襲を受けた。今はその矛と盾が日本というわけだ。当然、攻撃を受けるのは…

まぁ本当に戦争が起こるとは考えていないが、世界のパワーバランスは大きく変わったし、今後も変わり続けるる。アメリカは経済的に中国を抑えることは不可能で、確実に大きく差をつけられる。ただ多くの日本人には、恐ろしいほどにこの認識が無く、アメリカは覇権国であり続けると天真爛漫に信じている。

今まで見てきたように、歴史的にも覇権国は変遷してきた。労働のみがGDPを創出するので資本蓄積や教育レベルが上がれば、人種に関わらず労働生産性は均一になる。購買力平価GDPでは既に中国が世界一になっている。アメリカの1990年代以降の発展は金融資本主義がエンジンになっているが、その金融部門は大きく水膨れして破裂が間近になっている。IT革命による技術優位性も無くなっており、遅れをとり始めている。そして国内は分断が進行し、社会が不安定になっている。

もう一度言うが、太平洋におけるパワーバランスは既に大きく変わった。そして、その差は今後さらに大きくなり、誰の目にも明らかになる。

我々日本は、その大国に挟まれた小さな島だ。井の中の蛙では生き残れない。