異国で生活してみると、見方の幅が増える。異国の生活とは中国に限らず、アメリカやフランス、タイ、インドネシア、ドバイ…どこでも良いと思う。生活とまではいかなくとも、旅行でも見える物の幅が広がる。例えば私はこれまで「自由と民主主義」について疑問に思うことは一切なかった。当然に天から人間に付与された権利だと思い、そもそも考えることもなかった。しかし世界中を下僕と一緒に旅し、生活してみて「自由と民主主義」も絶対のものではなく、多くの欠陥を抱えていると考えるようになった。今まで全く見えなかった視点が新たに加わった。異国で生活してみると、そういう事が多々ある。
マシュー・サイドは著書「多様性の科学」の中で、「CIAが9.11テロを防げなかったのはCIAが白人至上主義の組織になっていたからだ」など、独特の視点から多様性の重要性を説明してくれている。世界は非常に多様な社会だ。それを一括りで纏めることは出来ない。私が一般市民(猫にも立派なニャン権がある)として感じるのは、大切なのは政治体制云々では無く、生活だと。治安的に安定して、十分な教育や医療が受けられて、自由な経済活動ができ、笑って暮らせる環境があればそれで十分だ。