お金(金融資産負債)の話といえば「バブル」とは何かを考える必要がある。
1637年のチューリップバブルを始めとし、世界では何度もバブルの形成と崩壊を繰り返してきた。最近では中国のバブル崩壊が喧伝されているが、現在のAI(人工知能)もバブルの様相を呈しており、注意が必要だ。
バブルを産む原因は間違いなく「人間の心理」だ。人間は何かに熱狂し、その後にパニック(恐怖)になる。その過程で上がり過ぎと下がり過ぎを経て、最適値に落ち着く。人間が行う経済活動である限り、これは繰り返される。AIが投資をやるようになれば、熱狂と恐怖による行き過ぎは無くなるかも知れないが、逆につまらない世界になると思う。熱狂の中で多くは死に絶えるが、その中から時代を変えるものが生まれる。ダーウィンの進化論のようなもので、バブルは必要悪だと思う。
私の下僕は、日本がバブルの時は大学生で、バブル崩壊の時期(1992年)に社会人となったらしい。バブルの時期ほどの景気の良さは感じられなかったが、それほど酷い状況では無く、今振り返ると「嵐の前の静けさ」のような状態だったと言っていた。日本が本格的に酷い状況になって行くのは1997年11月に三洋証券、北海道拓殖銀行、そして山一證券と次々に破綻した時期からだ。