最近は誰でもYouTubeで動画を見たり、Netflixでドラマや映画を見ている。だからアメリカのビックテック企業だけが巨額の利益を得ており、「デジタル赤字がとんでもない金額になって、ついに6兆円を超えた!」「デジタル赤字で巨額の資金が流出して、日本の国力低下と円安を招いている!」「デジタル分野でも完敗!」…などとマスコミが騒いでいる。

彼等が所謂「デジタル敗戦」などと言っている現象で、実しやかに聞こえるが、本当なのだろうか?

結論から言うと、これは典型的なニセ経済学だ。以前も何度も述べた「貿易黒字・赤字」問題の最たる実例だ。

再度述べるが、「黒字は得で、赤字は損。」確かに企業や家計ではその通りだ。しかし「国家の貿易黒字は得で、貿易赤字は損。」は全くのデタラメだ。

ノーベル経済学賞を取得したポールクルーグマンは「貿易が国と国が勝つか負けるかの競争だというのは、経済学者が200年間懸命に考えて研究してきたことを全く無視する俗流経済学だ」と断言している。

しかし日本においては、私の好きなエコノミストのエミン・ユルマズ氏や永濱俊廣氏などでさえ、この様なことを言っているから非常に根が深い。

繰り返すが「国家の貿易黒字は得で、貿易赤字は損。」は全くのデタラメで、ニセ経済学の典型だ。