マスコミや財務省はその一部を切り取って騒いでいるに過ぎない。正しくは金融資産と金融負債というのは「帳簿」の中にだけ存在する幻の資産と負債なのだ。「貸しました。借りました。」を記帳しているだけで、足すと必ず「ゼロ」になる。これは国内合計でも世界合計でも同じで必ず「ゼロ」になる。

では何のために働いて生産活動をしているのかと言うと、消費と投資をするためだ。金融資産を貯める目的では無い。何故なら金融資産が増えると、金融負債も同額増えるからだ。

消費(例えば食事や旅行など)はその場で消えてしまうが、投資は資産として残る。これが国富と呼ばれるもので、金融資産とは違う実物資産だ。国富とは土地、道路などのインフラ、生産設備、住宅やオフィスなどの建築物のことで、未来のGDPを生み出す基礎となる。日本の国富は2023年末時点で3577兆円ある。

繰り返すが、国富とは別に存在する「金融資産と金融負債」というのは「帳簿」の中にだけ存在する幻の資産と負債で、「貸しました。借りました。」を記帳しているだけで、足すと必ず「ゼロ」になる。だから財務省が言う国民一人当たり1100万円の借金は、裏を返せば国民は1100万円の財産を持っていると言うことだ。個人金融資産の2000兆円を利用しろと言われても、帳簿の上で「貸しました。」の記録なので、とっくに何かに使っている。簿記を少し学んだほうがいい。