結局「流動性の罠」から抜け出せず、デフレが継続し、失われた30年を迎えてしまった。
では「黒田バズーカ」とはいったい何だったのだろう?
日銀の理事を務めた門間氏は「世界でマネーの量でインフレを調整するという考えを取っている中央銀行は無い。」と言い。更に、黒田バズーカについては、あれは「神棚」だと言っていた。神棚とは神様にお祈りをする時に、もっともらしく見えるための装置という意味だ。
当然だが、神棚があるから願いが叶うわけではない。黒田バスーカがあってもインフレにはならないし、景気も良くならない。しかも日銀内部では、マネーの量とインフレには何の関係も無いことは最初から分かっていたらしい、しかし神頼みをするしかなかったようだ。
景気は「気」からだ。人々が将来に対して期待をしなければ、投資や消費が活発化しない=GDPが成長しない。だから人々の未来への期待を変えようと「神棚」を設置して、もっともらしくお祈りの儀式をしたが、誰も騙されなかったということだ。
あらためて「お金」とは何かを考えさせられる。世の中にお金が増えるとインフレになったり、景気が良くなったりするイメージがするが、それは全くの嘘だと事実が証明している。
何度も言っているが「お金」=金融資産=金融負債だ。足すと必ず「ゼロ」になるし、お金自身は何の付加価値も生まない。
付加価値を生むのは労働のみだ。そして労働は消費や投資という需要があるから発生する。金融が付加価値を生んでいるように見えるのは、その先にある労働が付加価値を生んでいるからだ。そこを間違ってはいけない。