IT革命発祥の地として有名なシリコンバレーは、カリフォルニア州のサンフランシスコ・ベイエリアにある。そこでスティーブ・ジョブズがウォズニアックと、ガレージでアップルを立ち上げた。ジョブズはIBMなどの大企業や権力に反抗し、「世の中を変革する!(Chang the world !)」という反骨精神で戦い続け、2011年に56歳で短い生涯を終えた。
そんな権力への反逆者であるアップルをはじめとする米国のビッグテック企業は、今では完全に権力側に回ってしまった。サンフランシスコにパシフィック・ハイツというエリアがある。ここにはビッグテック企業の経営者などの超高級住宅が立ち並び、世の中を見下ろしている。
その一方でサンフランシスコの街には異変が起こっている。パシフィック・ハイツから車で10分程度のサンスランシスコの中心部テンダーロインには全く別世界が広がっている。ドラッグと犯罪、暴力に支配された無法地帯だ。この対比は米国の格差を体現し、米国が階級社会であるとこを実感させられる。サンフランシスコには全米の30%のホームレスが集中していると言われている。
カリフォルニア州は民主党の強固な地盤で、全米で最もリベラルなエリアだ。カリフォルニア州には「プロポジション47」という法律があり、盗んだものが950ドル相当(14万円程度)以下の場合は、犯罪にはならない。だから窃盗し放題になっている。民主党の理想としては「警察が権力を持ちすぎている。軽犯罪は逮捕するのでは無く、教育や更生に予算を使う。」というものだ。その結果が無法地帯を生み、そこにフェンタニル(合成麻薬)が流入した。