「投資の神様」と呼ばれるウォーレン・バフェットが引退を表明した。94歳という高齢であるので、時間の問題とは思われていたが、やはり寂しくなる。

バフェットは、経営するバークシャー・ハサウェイを1兆ドル企業に育て上げた。そのバークシャーは、昨年より株を大量に売却し、現金比率を約27%まで上げ、3470億ドル(約50兆円!)も所有している。

バークシャーがこれほどの現金を所有するのは初めてで、バフェットは現在の株価が明らかに行き過ぎだと考えており、株を売却し次の暴落に備えている。バフェットの目には一体何が見えているのだろう?

その判断のベースとなっているのが「バフェット指数」だ。この指数は、ある国の株価の総額をGDPで割った数字で、バフェットはこの数字が100%を超えると、その国の株式評価が過剰に行き過ぎていると判断している。

ただしアメリカにおいてはFRBがリーマン後に急速に金融緩和をし、資産残高を約10倍!にも増やし、市中にお金を溢れさせたので、指数の見直しは必要だが、それでも現状の200%近くの値は異常値だと考えられる。

このバフェット指数と株価の関係を見ると、2000年の異常値は「ITバブル」として弾け飛び、2008年の異常値は「リーマンショック」として弾け飛んだ。今回もバフェットは警鐘を鳴らしている。一体何が起こるのだろうか?