バフェットは2000年のITバブルの時、加熱していたIT企業やドットコム企業への投資を避け、「自分が理解できないビジネスには投資しない」と述べた。これに対してはアナリストなどから「時代遅れの恐竜」などと揶揄されたが、その後の大暴落でバフェットの正しさが再確認された。リーマンショック時には、「他人が恐怖の時に貪欲に行動する」として、ゴールドマン・サックスやバンク・オブ・アメリカ、ゼネラル・エレクトリックなどへの巨額の投資を行い、巨額の利益を確保した。
何と言っても下僕が個人的に驚いているのは、バフェットが2008年の時点で中国のBYDに投資していたことだ。2008年当時、中国で商業施設の開発を行っていた下僕は、当時の中国は何も無い、非常に遅れた発展途上国だったと言っている。
当時、中国にいた下僕でさえBYDの名前すら聞いたことがなかった。それをアメリカのネブラスカ州オマハという片田舎に住んでいる老人が「良い企業」だと判断し、2.3億ドル(約330億円)を投資し、それが今では25倍!の57.5億ドル(約8300億円)にもなっているのだ…やはり「投資の神様」だ。
そんなバフェットは5月3日のバークシャー・ハサウェイの決算説明会で、「貿易というのは間違いなく戦争の手段になり得る」と語り、「本来は世界と自由に貿易を行い、我々は我々が得意なことをやり、相手もそれぞれ強みを活かせばいい」と発言している。まったくもってその通りだ。
更に「75億人があまり好意的でない中で、3億人が『俺たちすごいだろう!』と自慢している構図は、あまりに危うい」とも言っている。このバフェットの「遺言」とも言える言葉を、ぜひアメリカ大統領に伝えてもらいたいものだ。
