ユヴァル・ノア・ハラリ著の「サピエンス全史」は、ノーベル賞候補ともいわれている。これは、下僕達ホモ・サピエンスが如何にしてネアンデルタール人などの競争相手に勝利し、現在の繁栄を築くに至ったかを教えてくれている世界的なベストセラーだ。

下僕達はホモ・サピエンスの知能が高かったから競争に勝ったのだと思っているが、実は知能的にはネアンデルタール人の方が高く、更に筋力などは2倍近くもあったらしい。だから個々のスペックを見るとネアンデルタール人の方が高かった。ではなぜ勝つことができたのか?

ハラリ氏は「ホモ・サピエンスが虚構(フィクション)を信じることが出来たことが勝因だ」と言っている。フィクションを信じることにより、より大きな集団を作ることが可能になり、ネアンデルタール人などを数の力で圧倒することが出来たらしい。

そのフィクションとは、例えば「英雄伝説」「神や宗教」「お金」などだ。

下僕達はこれだけ科学が発展しても、いまだにフィクションを信じ続けている。「アメリカは世界の警察だ」とか「神は存在し、宗教が我々を救う」とか「お金があれば何でもできる」とか…

これらは全てフィクションだ。アメリカはイスラエルの暴走も止められないし、宗教対立が原因の戦争は枚挙に遑がないし、お金そのものは何の価値もないただの「紙切れ」もしくは「デジタル数字」だ。

下僕達はいつか目を覚ます日が来るのだろうか? それともこれはホモ・サピエンスの運命で、「虚構」の中で生き続けるしかないのだろうか?