アメリカのトランプ次期大統領が、グリーンランドの所有とパナマ運河の管理、さらに、カナダのアメリカ合併やメキシコ湾の名称変更について、持論を展開した。

グリーンランドはデンマーク領なのだが、デンマークが抵抗するのであれば高い関税を課すとまで言い出した。やりたい放題だ。なぜトランプは北極圏の氷に閉ざされた何も無い島が、そこまで欲しいのだろうか?

グリーンランドは世界で一番大きな島で、面積は日本の6倍もある。しかし人口は僅かに5万6000人しかなく、国土の2/3が北極圏のため人の住める場所がごく僅かで、人口の約90%が南部の中心都市ヌークとその近郊に住んでいる。

そして人口の約90%は原住民のイヌイットであり、領主国であるデンマークとは物理的にも心理的にも距離が遠く、以前より独立を模索している。

2009年には独立の賛否を問う国民投票を実施し、独立賛成が7割を超えた。グリーンランド自治政府のエーエデ首相は新年の演説で、デンマークからの独立を目指す意向を強調している。しかしグリーンランドの国家予算の2/3はデンマークの補助金(33億クローネ:約522億円)に頼っており、独立したいが資金不足で独立できないジレンマに陥っている。そんな鬱積した状況のせいか、グリーンランドの自殺率は5人に1人の約20%!と世界で一番高い。もし資源開発などで資金が出来れば独立の機運は一気に高まる。