実はグリーンランドの所有を言い出したアメリカ大統領はトランプが初めてでは無い。最初に言い出したのはアンドリュー・ジョンソン大統領で、彼は1867年にアラスカ州をロシアから720万ドルで購入している。その時にグリーンランドも購入しようとしていた。その後はトルーマン大統領なども1億ドルで購入しようとしたらしいが、当時は実現しなかった。

アンドリュー・ジョンソン大統領がアラスカを購入した時は随分と批判が多かったようで「ジョンソンのホッキョクグマ庭園」などと揶揄されていたようだ。しかし、アラスカは資源の宝庫で、多くの金鉱や巨大油田プルドーベイなどアメリカのアラスカ購入は、アメリカに莫大な利益をもたらしている。

さらに重要なことは軍事面における貢献だ。第二次大戦時や米ソ冷戦期においては非常に大きな役割果たし、現在もその重要性は変わっていない。

トランプの「グリーンランドの所有発言」に対して、デンマークのフレデリクセン首相は、「グリーンランドは売り物ではない」との立場を強調している。しかしグリーンランドに住む住人の心はデンマークから遠く離れてしまっているのも事実だ。物理的にもワシントンの方が近い位置関係にあり、アラスカはお隣さんだ。そこにトランプの金と関税の「アメとムチ」が加われば、どうなるのだろうか?