今回のトランプの「グリーンランド所有」発言にも当然狙いがある。それは軍事、交易そして資源の3点と考えられる。
軍事拠点としては第二次世界大戦時にナチスドイツに対抗するためにアメリカ軍の基地が置かれていた。歴史的にも長く、米ソ冷戦の時は多くの軍事基地が置かれていた。そして現在、NATOのロシア包囲網を強化する意味でも、アメリカとしては是非とも欲しいところだ。
交易に関しては、北極圏は今まで氷に閉ざされてきたが、温暖化(?)の影響か北極圏の氷が減っており、交易ルートとして利用できる可能性が出てきた。もし北極圏が通行可能となると、例えばヨーロッパ最大の港湾オランダのロッテルダムから日本までの航海距離は約60%も減ることになる。これは非常に大きいし、現在のルートであるスエズ運河では、イエメンの武装化組織フーシ派による貨物船襲撃が増えており、安全航路確保という意味でも重要性は高い。
そして資源に関しては、グリーンランドには、石油・天然ガス、金、ルビー、ダイヤモンド、プラチナなどが見つかっている。それにスマートフォンなど電子機器の製造に使われるレアアース(希少金属)など70を超える鉱物種が見つかっていて、未開発地域においては世界最大規模のポテンシャルのレアアースが確認されており、アラスカ同様に資源の宝庫だ。トランプが「2匹目のどじょう」を狙うのも理解できる。