トランプが次期財務長官に指名すると発表したスコット・ベッセント氏は故安倍晋三元首相が過去に提唱した「3本の矢」に倣う経済政策をトランプ氏に助言した。それは①2028年までに財政赤字を国内総生産(GDP)比3%に削減する。②規制緩和によるGDP成長率3%を実現する。③日量300万バレル相当の原油増産する。の3つの政策だ。
そのうち③に関しては、バイデン元大統領とは180度の方向転換となっており、「温暖化はフェイクニュースだ!」「緑の気候基金はボッタクリだ」と公言しているトランプは、CO2削減を約束した「パリ協定」を即時再脱退(前回も離脱した)するだろう。そして再び化石燃料にシフトすることとなる。
そしてグリーンランド領域内には、少なくとも推定埋蔵量がサウジアラビアの約42%に当たる1兆100億バレルにのぼる油田があると言われている。トランプは③「日量300万バレル」を達成するためにも、是非ともグリーンランドが欲しいところだ。
しかも石油メジャーのエクソン・モービル、シェブロンなどがグリーンランドの石油採掘調査及び開発の権利を獲得しており、これらの企業はトランプの強力な支持層でもある。今回のトランプの「グリーンランド所有」発言は色んな文脈から構成されている。
